海外で面倒なこととして「タクシー運転手との交渉」がありますよね。地下鉄などの交通機関やUBER等のサービスが使えない土地では、タクシー運転手も強気でぼったくろうとする街も少なくありません。ましてや今回は交渉の文化根強いアラブ圏「チュニジア・チュニス」での体験を元に、安全に、かつ、ぼられないような交渉について考えてみたいと思います。
今回は特に深夜の空港で悪質タクシーを利用せざるをえませんでした。さあ私はどう戦ったののでしょうか(笑)
今後アナタが海外の都市を安全に嫌な思いをすることなく移動するための参考にしていただければ幸いです。
Round 2:いざ交渉
突然のフライト遅延というトラブルで想定していなかった深夜の空港到着となり、ホテルまでのタクシーとの交渉戦略をアタマの中でササっと考えた私、出した結論は「手元の10ディナール(400円)札だけを見せてこれでホテルまで行ってもらうよう交渉する」ことでした。
(前回のRound1「交渉戦略立案」を参照)
?
結果は想定通りのぼったくり姿勢に対して・・・驚きの結果となりました!
1. 事前交渉
空港の到着ロビー出口を出てタクシー乗り場に向かいます。
今までチュニスの空港では、悪名高いぼったくりタクシー会社につかまるのが嫌で、わざわざ出発ロビーの外に出て空港に着いた乗客を降ろしたばかりのタクシーに自分から声かけていたほどです。必ず黄色のメーター付きタクシーを選んでいました。
ところがこの深夜12時を過ぎた時間帯、空港に到着するタクシーは無く、やむをえず空港出口外で待ち構えている悪名高い白色タクシー会社が多いタクシー乗り場に向かいます。ドキドキです。
乗り場近くで早速笑顔のオジさんが近づいてきました「タクシー!?」
そのオジサマは乗り場での配車担当らしく、値段交渉をしようとすると
「ドライバーと直接話せ」「まず乗れ」「さあ乗れ」と、
こちらが「How much!?」と値段を聞いても全く答える様子なし!
とにかくクルマに乗せようとします(笑)
「値段については乗ってからドライバーと話せ」ということで、
金額の話よりも先ず車に押し込もうとする姿勢…
あやしいですね~(笑)
過去にも他の国で経験済みですが、まあ危ないパターンです…(笑)?
クルマは古い型のベンツです。
もちろん黄色いタクシーとは違いメーターもありません。
しぶしぶ乗車したらもっと驚く展開になりました!
車内でまさかの・・・いや想定通りか
クルマに乗り込みドアを閉めた瞬間、
なんといきなりクルマが走りだしたのです!!
え!?行き先も聞かずにまず走り出すか~!?
あやしいですね~(笑)
こちらも過去に経験済み。
逃げられないようにしてから話がはじまります。
ほどなく「行き先はどこだ?」と英語で聞いてくるドライバー
(先に行き先聞いてから走り出すだろう普通・・・笑)
「XXXホテルまで行きたいんだが、how much?」英語で答える私
「XXXホテルだな、承知した・・・」
(おい質問に答えてないぞ!笑)
「で、料金は幾らなんだ?メーターはついてないようだが」と重ねて聞く私
「俺のクルマにはメーターは無い」「料金は「10」だ」 ようやく金額というか数字のみを答えました(笑)
「10ディナールだな」 通貨を強調して確認する私
・・・特に返事はありません。
あれ?聞こえなかったのかな~?(笑)
「こちらは10ディナールしか持ち合わせが無いので、これ以上払えないからな」と10ディナール札を相手に見せてハッキリと伝える私!
それを聞いてこのトライバー 目を見開いてこちらを振り返ります
(おいおい…運転中~笑)
「10ユーロに決まっているだろう!つまり 30ディナールだ!」
はいはいきました(笑)事前に調べていた相場では、市内まで向かうとぼったくられても20ディナールとのことでした。距離がもっと近いホテルまで行くのに30ディナールとは(笑)
さあ、ここからが交渉のはじまりです!
2. 逃げ切り戦術の結果は?
海外で北アフリカのアラブ圏の国、しかも深夜12時を過ぎています。深夜料金=安全を買うということでもありますので、交渉もアグレッシブに行き過ぎないように気を付けないといけません。ケンカ腰ではいけません。交渉は常に冷静に。安全が一番ですので、たかだか1000円程度の金額でご自身を身の危険にさらすようなことは避けましょう。
その意味では、今回の交渉は少々アグレッシブにいきましたのでご参考にして頂くのはいいですが、なかにはあまりお薦めできないやり方もありますのでお気をつけください。
「10ユーロ=30ディナール」とふっかけてくるこのドライバーに対し、こちらは10ディナール札をつきつけて「これ以上は払えない」と言い張りました。
「金が無いと言ってもホテルに行けばあるだろう。30ディナールだからな」とクルマを走らせながら大声で威嚇してくるドライバー。
海外で外国語で大声で言ってくる相手に少々ビビりはしましたが… 少しこのドライバーを観察していて結構強気な姿勢でアグレッシブな態度でも大丈夫そうだと判断しました(笑)この観察眼を得るには少々経験が必要だったりするのかもですが。
「30ディナールは払えないので、だったら他のタクシーを拾う!今すぐ降ろせ!ストップだ!」と言いながら、後部座席のドアを半開きにします。信号がちかく車がスローダウンしていたので、停車と同時に降りてもいいかなとも思っていました(※あまりお薦めしないアピールの仕方ですが・・・)
すると、やはり思っていた通りのリアクション!
走行中のクルマのドアを半開きとはいえ開けられたらビックリしますよね
「OK、OK、分かったよそれでいい」
念を押して「10ディナールだな?NOT 10ユーロだぞ」 「OK、OK」
一応合意となり、10ディナールの約束のままホテルに向かいました。もともと空港から10分程度の近場のホテルでしたのですぐに到着です。
こんなタクシー居心地悪いですし、ホテルのエントランスに到着すると、さっさと10ディナール札を置いて車を出ました。
荷物も軽かったので、サッとホテルの建物内に入り、フロントでチェックインの手続きを始めていたところ・・・
なんと!そのドライバーが大声で叫びながらホテルのロビーまで追いかけてくるではなありませんか!
私ではなくホテルのチェックインのスタッフたちに向かってアラビア語で何やら叫んでます。
次第に白髪のマネージャーが出てきて対応してくる羽目になりました。
そのマネージャーいわく「このタクシーは黄色の一般のタクシーではない。高級車でのハイアーサービスなので料金が違う。標準料金10ユーロなので30ディナール払え」と主張しているようです。
どうやら10ユーロで合意したのに私が10ディナールしか払っていないと言っているとのことでした。
やっぱり来たか・・・というカンジですねぇ~(笑)
このドライバーが当初から目論んでいたとおり、ホテルであれば現金も準備できるのでここで、地元の事情や言語を理解してくれるホテルスタッフを味方につけて、ひとりよそ者である私を囲い込もうとしているようです。
もちろんこのような場面ではひるむことはありませんが・・・
ここで何とも意外な展開に!
3. 驚きの結末!
ホテルのロビーで叫ぶドライバー!一生懸命主張し、自分のサービスの通常料金を支払うべきだと言い続けます。
それに対し、私は「約束通りの合意した金額のみ支払った」と当然ゆずりません。
やれやれ・・・と思っていた矢先
ホテル側の白髪のマネージャーがそのドライバーにひとことハッキリとした口調で何かを言い、それを聞いたドライバーが悔しそうにチェックインカウンターを手で叩いて、恨み節のような言葉(に聞こえました)を叫びながら帰っていきました・・・。
どうやらきっぱりと「迷惑ですので、お引き取りください」と追い払ってくれたようです。
その後も私に謝罪の言葉を投げかけ「明日は当ホテルでちゃんとしたメーター付きのタクシーを手配させて頂きますのでご安心ください」と気遣いまでいただきました。
さらに、スタンダードルームを予約していたのですが、しっかりスイートルームにまでアップグレードしてくれました(笑)
実は私はドライバーとの会話をスマホで録音していました。「10ディナールOK」とハッキリそのドバイバーが言っている音声をスマホで再生することもできたのですが、その必要はありませんでしたね~(※これらの使い方も注意しながら主張する必要がありますよ)
いずれにせよ、ホテル側の対応には助けられました。
この話はまだ続きます・・・(笑)