最近「アート思考」というキーワードをお聞きになられたことはありますか?
様々な書籍も出てますので詳しい説明はそちらにお任せしますが…
参考 ハウ・トゥ アート・シンキングamazon簡単に言うと、今までビジネススキルの基になるビジネス理論は全てロジカルなものだった(=右脳的発想)
でもこの不安定で未来が見通せない時代に全て理論的に解釈できますか?それを超えた「発想力」が求められるようになるということです。
「ガチガチの右脳的理論」に加え、ゼロから発想する「左脳的クリエイティビティ」が必要ということですね。
参考 13歳からのアート思考amazonではどのようにしてアート思考を育てるのか…ということですが、言われているのが質の高い「アート体験」ということだそうです。これは確かに自分としても納得できるかなぁと思います。
仕事上は理詰めでビジネスについていつも考えますが、そこから離れて理屈じゃないアートを体験してアタマを柔らかくするというのは確かにあります。
先ずは気分転換、そして新鮮な体験、それが仕事に向き合った時に新しい発想力が持てるようになるということです。
これは美術館や劇場で普段触れている大衆芸術(例えばJ-Popやハリウッド映画)以外のアートに触れてみるということでも刺激されますが、私からひとつ素晴らしいアート体験の機会をご紹介したいと思います。
お茶席~で5感を全て使ったアート体験を!
お茶席(茶会)とは茶道のひとつのセレモニーの場です。ホスト役(多くの場合先生)が客人を茶室でもてなす一連の会ですが、先日大変感激の機会を頂きました。
※茶道についての知識や説明力がやや乏しいのでご容赦ください
会場は東京・新宿区の「茶道会館」
数々の茶室と手入れの行き届いた庭園を持つ茶道の施設です。
参考 茶道教室・茶道会館 茶事 茶会茶道会館私も10数年来に久々にお茶会に参加させて頂きました。また、以前体験したのとは別の流派の会でしたので、とにかく何も分からないに近い状態での参加です。
今回のホスト役の先生は、そんな作法等を取り払い、初心者でも参加しやすい場として開催してくださったのです。そんな機会は少ないかもと思い参加させて頂きました。写真撮影も今回についてはOKとのことでした(普通はまずダメ)
冒頭にお話した「5感」ですが、まずは、視覚や聴覚と言った芸術鑑賞には必要な感覚が刺激されます。整備されたお庭での季節感、茶室の建物、内装や造り、会場に足を踏み入れた瞬間から感じるものがあります。
そしてホスト役の先生との会話・やりとりによりお茶会は進行していくのですが、この日のために、季節に合わせて茶室内に飾られた掛け軸や生け花、同じく季節や客人にあわせて選定された茶器・茶道具、それらひとつひとつが既に「アート作品」であるのは言うまでもありませんが、どのような意図を以て選定されたのか、説明を聞き、背景である文化や歴史を吸収しながら味わうことが出来ます。キュレーターの説明を受けながら美術館を歩き鑑賞する感覚に似ています。
そして、受けた説明以上の意味を感じることができるのです。
お茶をいただく一連の流れは、自分の手で茶碗を感じ、嗅覚や味覚で味わう手順。
またこの日は、松茸や長芋といった季節の食材が土瓶蒸しや炊き込みご飯の温かいお料理となって出されました。
様々な意味で過ごす時間が全てアート体験でした。
アート体験を重ねることが重要に?
アート鑑賞は今やオンラインを含む様々な形での実現が可能です。それはそれで素晴らしいのですが、よりマインドフルに体験できるという意味で、今回は自分の時間と5感を全て投入するアート体験となりました。
日常の仕事から離れ、すべてをその場・その時に没入できる、貴重な時間でした。
今まで当ブログ等では、日常から離れ自分自身を客観的に見直す機会としての「旅」特に「海外旅行」をお薦めしていましたが、ちょっと難しいこの時期、この「アート体験」というのも充分同じ効果が得られそうです。
今後是非またアート体験とアート思考についてお伝えできればと思います。
きっと我々日本人ビジネスパーソンにとって、現状を打破する機会になってくれるものと思います。